空き家管理サービスの費用は?頼めることと選ぶときの確認点

空き家管理サービスの費用は?頼めることと選ぶときの確認点

遠方の実家へ毎月通うのは難しい。家族で分担していても、郵便物や庭の様子まで確かめる余裕がない。そんなときは、続けにくい作業を空き家管理サービスへ頼む方法があります。

費用を比べるときは、屋外だけを見るのか、室内まで入るのか、何回訪問するのかを先にそろえましょう。同じ「空き家管理」でも、巡回中心のサービスと、清掃や警備を含むサービスでは、料金に含まれる内容が違います。

この記事では、公式料金の具体例と、問い合わせ・契約前に確認したい条件を整理します。自分や家族でできる範囲を決めたうえで、難しい部分を外部へ頼むためのガイドです。

空き家管理サービスでは何を頼める?

空き家管理サービスは、契約した頻度で現地を訪ね、家の状態を確認したり、決められた手入れをしたりするものです。常に人がいる管理や、建物の不具合をすべて発見・修理するサービスとは限りません。 依頼する作業を選ぶ前に、空き家の見回り項目と家族での分担を確認しておくと、自分たちで続ける範囲を整理できます。

依頼できる内容を、次のように分けて考えると整理しやすくなります。

頼みたいこと プランを確認するときの着眼点
建物の外観・敷地の確認 門、外壁、窓、庭など、どの場所をどの位置から見るか
室内確認・換気・通水 室内に入るプランか。対象の部屋・設備と、電気・水道の条件は何か
郵便物・投函物の整理 確認、回収、廃棄、転送のどこまで含むか。転送費は別か
簡易清掃・庭の確認 清掃する場所と程度。草木の状態確認と、草刈り・剪定は別か
写真・報告書 作業内容、異常、確認できなかった箇所を、いつ・どう報告するか
異常発見時の連絡 家族への連絡までか。臨時訪問や修繕手配も依頼できるか

上の項目がすべて基本料金に含まれるわけではありません。「庭を確認する」と「草を刈る」、「雨漏りらしい跡を報告する」と「原因を調べて直す」は、それぞれ別の作業です。

家財の片づけ・搬出・処分も、定期的な巡回管理とは分けて見積もりを取ります。国土交通省も、自分での管理が難しい場合には、管理業者や修繕業者などの利用を検討するよう案内しています。国土交通省「空き家の管理のやり方」

空き家管理サービスの費用は何で変わる?

主な違いは、作業範囲、訪問頻度、戸建て・マンションの別、広さ、所在地です。これに庭作業、郵便転送、臨時点検、警備などを加えると、支払総額が変わります。

以下は公式掲載料金の例です。全国平均や価格順位ではありません。月1回という条件が同じでも、内容や利用条件が異なるため、金額だけで優劣を決めないでください。掲載金額はすべて税込です。

HOME ALSOK るすたくサービス:基本の巡回と室内対応を分けて見る

プラン 公式掲載月額(税込) 主な範囲・条件
るすたくサービス 7,700円 月1回の屋外見回りと投函物整理。屋外の指定箇所は10か所まで
るすたくセキュリティパック 11,000円 基本サービスにホームセキュリティを追加
るすたくセキュリティパック+換気サービス 18,700円 警備に加え、換気・通水、外観・内観の確認。確認箇所等に上限あり

初期費用は上記掲載プランで0円。郵便物の送付は実費負担で、警備員の出動は1回3,300円(税込)の記載があります。駆けつけを月額内で何度でも利用できるとは考えないようにしましょう。

公式ページは全国の住宅を対象として案内していますが、戸建て・マンション別の料金表や面積条件は同ページでは確認できませんでした。住所、住宅種別、希望する室内作業を伝え、適用プランを確認します。基本のるすたくサービスは1年契約・以後1年単位の自動更新とされており、警備を組み合わせる場合の契約・解約条件も別途確認が必要です。ALSOK公式「HOME ALSOK るすたくサービス」

ダスキン 空家点検サービス:住宅種別・面積と清掃範囲を見る

プラン 月1回利用時の標準料金(税込) 面積条件・主な範囲
一軒家プラン 15,400円(税抜14,000円) 延べ床面積120㎡未満。清掃、点検、通気・通水、現状報告
マンションプラン 13,200円(税抜12,000円) 延べ床面積100㎡未満。清掃、点検、通気・通水、現状報告

面積条件を超える場合や、基本サービス以外の作業は別途見積もりです。一部対応できない地域・店舗があり、所在地での確認が必要です。

駐車場所がなく有料駐車場を使う場合の駐車料金、渡船・有料の連絡橋などの実費は別途負担となります。投函物の送料や、土日祝日・夜間等の追加費用にも条件があります。庭の手入れや本格的な清掃は、基本範囲と分けて確認しましょう。最低利用期間・更新・解約条件は、確認したサービスページでは確認できませんでした。ダスキン公式「空家点検サービス」

NPO法人 空家・空地管理センター:屋外中心と室内ありの違いを見る

プラン 公式掲載月額(税込) 月1回の主な範囲
空き家あんしん管理(戸建て) 2,750円 外観・草木の目視確認、ポスト掃除、写真付き巡回報告など。室内作業なし
空き家あんしん管理プラス(戸建用) 6,600円 屋外管理に換気・通水・室内目視等を追加
空き家あんしん管理プラス(マンション一室用) 6,600円 室内の換気・通水・目視、ポスト掃除、写真付き報告など

郵便物転送は月1,100円、報告書郵送は月550円、立会い・緊急時点検は1回5,500円(いずれも税込)。草刈り・剪定等は別見積もりです。対応地域は公式のエリア案内で確認し、住所・建物の状態によって利用できない場合があります。掲載ページでは面積による加算、初期費用、交通費の一律条件は確認できないため、見積もりで確かめます。管理サービス・対応エリア

通常の解約は、終了したい月の前月末までの申出と案内されています。契約開始から6か月未満で中途解約すると管理報酬1か月分の早期解約違約金がかかるため、短期間だけ頼みたい場合は確認しましょう。契約期間・更新や返金の詳しい扱いは契約書で確かめます。特定商取引法に基づく表記

比較するのは「必要な作業を含めた総額」

例えば、室内の確認が必要なのに屋外だけの料金で予算を組むと、見積もり時に条件が変わります。反対に、家族が帰省時に室内を確認できるなら、屋外巡回を中心に相談する余地があります。

見積書では、基本料金×利用月数(または1回料金×依頼回数)+初期費用+必要な追加作業・実費を分けて確認してください。月1回の定期料金と、単発の臨時点検料金を同じ欄で比べないことも大切です。

電気・水道の料金、火災保険、税金、修繕費など、サービス料金以外に家を保有する費用もあります。管理費だけで家全体の維持費を見積もらないようにします。

料金表を見るときに確認したいこと

「月額○円から」という表示を見たら、次の条件をそろえて問い合わせましょう。追加料金が未定の部分は、0円とせず「要見積もり」として残します。

確認項目 問い合わせで確かめること
基本料金・税・支払い 月額か1回料金か、税込か税別か。初期費用と支払時期・方法
訪問頻度・日時 月何回か、日時指定の可否、不在や悪天候で実施できない場合の扱い
基本範囲・追加作業 対象箇所、清掃の程度、草刈り・剪定・修繕の別料金、追加前の承諾方法
交通費・実費 交通費、駐車料金、渡船代、郵送料、報告書の郵送費
写真・報告 写真の有無、報告時期、メール・郵送等の方法、未実施箇所の記載
鍵・郵便物 鍵の受け渡し・保管・返却、投函物の廃棄や転送の指示方法
緊急時 連絡のみか、訪問もあるか。受付時間、追加料金、到着までの目安

報告書は見本を見せてもらうと、家族が遠方から何を把握できるか判断しやすくなります。「異常なし」だけなのか、写真や未確認箇所も分かるのかを見ておきましょう。

また、管理サービスへの支払いに加え、電気・水道等を維持する費用と安全面の確認が必要です。ダスキンは、水道・電気の契約がない場合、通水や掃除機での清掃ができない場合があるとしています。ダスキン公式FAQ

電気・水道・ガスを一律に開けたままにしたり、止めたりするのではなく、現在の契約状況と必要な作業を伝えましょう。寒冷地の水抜きなども含め、設備の状態に合った扱いと費用負担を確認します。

管理サービスを選ぶときの契約確認ポイント

国土交通省の「不動産業者による空き家管理受託のガイドライン」は、不動産業者が管理を引き受ける際の留意点をまとめた資料です。以下の確認項目はこの資料も参考にしたもので、すべての空き家管理事業者へ一律に課される法的義務という意味ではありません。

同ガイドラインは、日常的な管理を代行する場面を主に想定しています。既に管理不全空家等・特定空家等として指導・勧告の対象となっている家や、周辺に悪影響を及ぼしている家は対象として想定されていません。そうした事情がある場合は、契約前に伝え、実家所在地の自治体の空き家担当窓口や対応できる専門業者へ相談してください。国土交通省・ガイドライン本文(PDF)

依頼する権限と、開始前の家の状態を確かめる

親が所有する家なら、親本人の希望を確かめ、誰が契約するのかを整理します。所有者以外が依頼する場合は、委任状など必要な確認書類を事業者に尋ねてください。親族であることだけを理由に、どの作業でも自由に依頼できると決めつけないようにします。

開始前には、建物の傷み、残っている家財、立ち入れない場所を共有し、写真や書面で残します。遠方で立ち会えない場合は、現地確認をどう行い、何を送ればよいか相談しましょう。

契約書で、作業・責任・終了条件まで確認する

確認項目 契約前に残したい内容
対象物件と作業 住所、住宅種別、対象の建物・庭・付属施設、作業内容と頻度
再委託 別の会社等が作業するか、担当の連絡先、問題が起きた際の窓口
鍵と個人情報 鍵の管理者・紛失時対応、写真・住所・家族の連絡先の共有範囲
損害時の対応 どの損害に責任を負うか、対象外になる事由、賠償責任保険等の対象・上限・免責
異常時の対応 報告先、家族と連絡が取れない場合、応急対応や修繕手配の承認・費用
完了報告 作業日、実施内容、写真、未実施の理由、追加対応が必要な箇所
契約期間・更新・解約 開始・終了日、自動更新の有無、申出期限、違約金、返金、鍵の返却

「保険付き」「緊急対応あり」だけでは、実際にどこまで頼めるか分かりません。台風の翌日に必ず来てもらえるのか、巡回のない日に起きた被害はどう扱うのかなど、気になる場面を具体的に尋ねてください。

相談時の説明と契約書の内容が違う場合は、そのままにせず確認します。紙でも電子データでも、後から家族が読み返せる形で見積もりと契約内容を保存しましょう。上表は国交省ガイドラインの契約事項等を参考に、家族向けの質問として整理しています。国土交通省・ガイドライン掲載ページ

全部を頼まず、必要な部分だけ頼む方法もある

家族が続けられる作業まで、すべて外部に任せる必要はありません。例えば「現地の定期確認は管理サービス、報告書の確認と家族への共有は子ども、修繕は専門業者」と役割を分けられます。

「家族が行けない月だけ頼みたい」「庭の作業だけ相談したい」という希望があるなら、単発対応やプラン変更ができるか尋ねます。定期契約の途中で訪問を休めるか、休んだ月の料金はどうなるかも確認してください。

家をどのように扱うか自体がまだ決まっていない場合は、実家が空き家になったときの選択肢から整理できます。管理を依頼することと、売却・解体を決めることは別の判断です。

問い合わせる前に整理しておきたいこと

最初からすべて決まっていなくても構いません。分からない項目を残しておくと、問い合わせで確認することが見えてきます。

整理する項目 家族で書き出すこと
実家所在地・住宅種別 住所、戸建てかマンションか、広さ、付属建物・専用庭の有無
現在の状態 空き家になった時期、傷みや荷物、自治体からの連絡の有無
依頼する人 所有者、本人の意向、契約者、家族の連絡担当、依頼権限の確認先
家族ができる範囲 訪問できる時期、確認できる場所、遠方からできる報告確認
外部へ頼みたい項目 外観、室内、換気・通水、清掃、郵便物、庭のどこまでか
訪問頻度・利用期間 希望する回数、開始時期、いつまで頼みたいか
室内・鍵・設備 室内に入る必要、鍵の所在、電気・水道・ガスの契約状況
郵便物・庭 転送先、廃棄してよい投函物、草刈り等の必要性
写真報告・緊急連絡 報告を受ける人、共有方法、異常時の連絡先と判断する人
予算・追加費用 基本料金の予算、別見積もりにする作業、追加時の承認者
確認先・担当・期限 未確認のこと、誰に尋ねるか、誰がいつまでに確認するか

サービスを比べるときは、事業者名・プラン名・問い合わせ日と一緒に、先ほどの料金・報告・鍵・緊急時対応・再委託・損害時対応・契約期間・更新・解約の回答を残しましょう。回答がそろわない項目を埋めてから、家族に合う依頼範囲を検討できます。

相談先の振り分け自体に迷う場合は、実家じまいの相談先を整理した記事も参考になります。地域の事業者が見つからないときは、実家所在地の自治体の空き家窓口で、管理に関する相談や地域の窓口案内を受けられるか尋ねてみてください。

まとめ:家族が続けにくい作業から、依頼内容を決める

空き家管理サービスの費用は、室内に入るか、訪問頻度、住宅の広さ、所在地、追加作業などによって変わります。まず家族でできない作業を整理し、同じ条件で料金とサービス内容を確認しましょう。

そのうえで、報告・鍵・緊急時対応・解約まで確認し、実家のある地域に対応する事業者へ問い合わせます。無理なく続けられる分担を作ることが、管理サービスを選ぶ出発点です。

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